それぞれの決意

氣賀 美和子 / Miwako Kiga

夢の架け橋

Web販売部 企画グループ

2015年 入社/外国語学部 フランス語学科 卒

「ハロー!」の記憶

初めての海外旅行に大興奮だった、小さな私。ワイキキビーチでめいっぱい泳いで、アラモアナでショッピングをして、ホテルのバイキングでは見たこともない料理に目を丸くして。4泊6日の日程はあっという間で、帰国する日には母の服を引っ張って、泣きじゃくって……。小学1年生の夏休み。夢のようなハワイでの日々。どこを見ても外国の人ばかりで新鮮で、英会話教室で習っていた英語を試す初めての機会にワクワクしていた。「ハロー!」と話しかけると、皆ニコニコして「ハロー!」と返してくれる。何だかうれしくなって、いつでもどこでも「ハロー!」と周りの人たちに呼びかけた。

「ハロー!」の記憶、幸せの記憶。そこから芽生えたのは、未知の言語を学びたいという好奇心だった。高校に入学すると周囲が第一外国語として英語を専攻する中、フランス語を選択。母と妹と3人でヨーロッパを巡ったときには、学んだばかりのフランス語で買い物ができてうれしかった。言葉は誰かと通じ合うための大切なコミュニケーションツール。想いが通じるとうれしくなって、また学んで、さらに通じて、もっとうれしくなる。知らないことを知っていくことに、どんどん夢中になっていった。

「羽田発ロンドン行き」

就職活動では「日本の良さを発信する企業」を軸に据え、航空会社もその中にあった。恒例の家族行事であるハワイ旅行はいつもJALだったからか、自然と志望はJALグループへ。ハワイでの経験が今の自分をつくったように、旅が生み出す感動や喜び、夢を提供したいと思うようになった。

ジャルセールスに入社して2年目の秋。私はWeb販売部にいた。Web販売部はJALグループのWebサイトの企画・運営を担う。航空券やツアー販売、旅に関するコンテンツ提供まで多様なサービスを提供している。異動してすぐ、私のもとに飛び込んできたのは「羽田発ロンドン行き」を翌年秋に増便するという知らせだった。就航が秋となると、夏には航空券の販売が開始される。さらにその前に、Webをはじめとした各媒体で増便を知らせるプロモーションが始まる。情報解禁の日までは、あと半年間。その間に、空港間の調整や運賃の決定、宣伝広告など、必要事項のすべてを各部署で済まさなければいけない。Web販売部はWebサイトの更新や航空券販売システムの更新を担い、さまざまな部署の担当者と協力しながら進行した。

広がる世界

私が担当したのは、予約システムのメイン機能。増便にあたり、運賃や出発時間などの情報を既存のシステムに反映し、予約や変更といった機能を検証するのが一連の流れだった。システムは開発元である外部ベンダーが担当しており、私の役割は納期までのタスク管理とスケジュール調整。しかし、運賃などを担当する社内の部署から、なかなか情報が出てこない。情報がなければシステムの更新も検証も進まない。ベンダーをお待たせしているのに、納期だけが近づいてくる。やっと情報が確定したかと思いきや、変更が入り、すべての検証がやり直しになったことも。やること、考えることが多すぎて、正直つらかった。

ある日の帰り道。なぜこんなにうまくいかないのだろうと考えてみた。もしかしたら、と思いつくものがあった。うまくいかないのは、ともに業務を進めている関係者が何を考えているのか分からないからではないか。振り返ってみれば、それもそのはず。会ったこともない人とメールをしているだけでは、顔はおろか声も知らない。声すら知らない相手の気持ちが分かるはずがない。

内線番号を調べ、電話をかける。コール音が耳に響く。催促がしつこいと怒られでもしたら……。不安で胸がいっぱいだった。でもそんな不安とは裏腹に、電話に出た相手は丁寧に事情を話してくれた。相手だって、何もいじわるで教えてくれないわけではない。私が自分のことしか考えていなかっただけ。それからは、関係する担当者たちと電話のみならず実際に会って、コミュニケーションを交わす機会を増やした。すると自然と同じベクトルを向いて仕事ができるようになり、進行がスムーズになった。信頼関係が築かれていくことを実感し、仕事が一層楽しくなってきた。対話のベースにあるのは、相手のことを考え、言葉で気持ちを伝え合うこと。幼い頃に知ったコミュニケーションの楽しさが、仕事の場でも世界を広げてくれたのだった。

十人十色の夢の形を

その日の朝は、時がたつのがいつになくゆっくり感じた。ロンドン便の発売開始は11時だった。リリースが気になって、仕事が手につかない。そして、ようやく予定の時刻に。確認のためにサイトにアクセスすると、ロンドンの観光名所が現れた。タワーブリッジ、バッキンガム宮殿、ビッグベン……。ロンドン便の予約が始まったのだ。発券が確定する直前まで予約画面を進める。便名、出発日時、到着日時、運賃、座席、特記事項……。よし、すべて大丈夫。ほっとして全身の力が抜けた。と、達成感というか何というか、とにかくうれしい気持ちがじんわりとこみ上げてきた。

Web販売の仕事は、お客さまと直接顔を合わせることはない。でも、画面の向こうにはJALに期待を寄せていただく、たくさんのお客さまがいる。大切な人に会うために、大きなビジネスを成功させるために、家族のかけがえのない思い出をつくるために――。いろいろな目的を持ったお客さまのために私ができることは、きっとまだまだたくさんある。

これからもいたるところで未知の出来事にぶつかるに違いない。困難なこと、つらいことだってあるだろう。でも、進むべき道しるべはいつまでも変わらない。「旅が生み出す感動や喜び、そして夢を提供したい」。その思いを胸に、社内外問わずさまざまな人たちと同じベクトルで協力し、十人十色の夢の形をつくり上げいく。お客さま、協力してくれる多くの関係者たち。すべての人をつなぐ架け橋に、私はなりたい。幼い頃にハワイからもらった最高のプレゼント。夢中で「ハロー!」と呼びかけた、あの幸せの記憶を思い浮かべながら。

  • この内容は2020年2月時点のものです。

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